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立ち直れてはいなかった

我ながらショックである。




 以前密かに思いを寄せていた方がいる。なるべく近づこうと思っていたものの結果は失敗。お会いする機会もなくなったその後、風の噂で結婚されたと聞いた。この時は思いっきり落ち込んだものである。しかし、もう数年前のことであり、ワタクシは立ち直ったと思っていた。

 またその方にお会いする機会があった。「結婚おめでとうございます」と言っているワタクシがいた。自分の中では清算できていると思っていたし、過去の話でもある。素直に祝福したい。
 どこかで「会わない方が良いかもしれぬ」と思っていたが、それもなんだか腑に落ちない。会わないための合理的理由は見付からないのである。

 帰宅後ガックリ落ち込んでしまった。結局、強がっていただけなんだと思う。
気付いたら「どだい無理な話だったんだ」とか「ワタクシにはやはり縁のない世界である」とか叶わなかった事を正当化している自分がいたのである。そして「あれ、立ち直ってないって事じゃん」と解ったのである。

 お会いしたから誘発されたのかもしれぬ。それならば会わなければ良かったのである。恐らく会いたい気持ちもあったのだろう。結果は言い訳にしかならない。

 なんにせよ当時を乗り越えられていない事に変わりはない。悲しいやら虚しいやら。そしてそんな自分に腹立ちすら感じた。まだ引きずっていたのだから。

 そしてまたワタクシは精神世界に没頭しそうになった。先ほど書いた「ワタクシには縁のない世界」、ワタクシは幸せになってはならない宿命なのだ自己犠牲的なのがワタクシのアイデンティティなどと。でも、それは逃避であることも解っている。向き合わなければならないのである。己一人の問題として。

 恋する気持ちなどどこかへ行ってしまったのは、この辺りに原因があるのかもしれぬ。ひょっとするとこのまま死ぬまで変化しないかもしれぬ。つまり逃げ続けるって事である。それじゃあダメなんだけどね。

思わぬところで躓いてしまった。でも、これも人生である。

 誤解無きよう、間違っても相手の方を恨んだりしていない。自分のアホさ加減を身にしみているだけである。
選挙の落選者ではないが、ワタクシの力が足りなかった。もっとも、許される関係ではないとどこかで察知していた面もある。これを繰り返してきたのも事実なのだ。ようやく「それは無理だよね」と気付きつつある。

やはり人生、苦行の連続である。
by donkeys-ear | 2011-04-22 00:11 | 心のヤミ